シナジス 2023年シーズンは4月から
当院では、RSウイルス感染の重症化を予防するシナジス投与を行っています。
本年度のシナジス外来は、川崎市においては2023年4月1日から開始されます。
早産児や生まれつき心臓に疾患がある乳児のために、通常は大学病院や総合病院で行われる治療です。
そのため近くのクリニックではシナジス注射を受けられず、注射だけのために毎月、遠く離れた総合病院まで足を延ばさないといけない赤ちゃんがほとんど、というのが現状です。
これを解消するため、当院ではシナジス外来を開設しています。
初回の投与は大学病院で、2回目以降から当院というご希望もお受けいたします。
シナジス外来では、予防接種や健診と一緒に行えるようにも調整しておりますので、ご相談ください。
予約は電話(044-542-8866)で、承っております。
RSウイルスとは
乳幼児に呼吸器感染症を引き起こす重要な原因ウイルスです。大人が感染した場合は軽いかぜ症状のみでおさまりますが、予定日よりも早く生まれた赤ちゃん、生まれつき呼吸器や心臓に病気をもっている赤ちゃんなどが感染すると重症化することがあります。1年を通じて感染がみられますが、特に秋から春頃に流行します。今のところ、RSウイルス感染症に有効な治療薬はありません。
シナジス注射とは
RS ウイルス感染症が重症化し、肺炎や無呼吸発作のため入院治療が必要となることがあります。このRS ウイルス感染症の重症化を防ぐ目的で開発されたのがパリミズマブ(シナジス®)です。
シナジスは通常の予防接種で行うワクチンではなく、RS ウイルスに効果がある抗体成分を精製したもので効果は約1 か月です。流行期の間、毎月投与する必要があります。予防接種との間隔を考慮する必要はなく、同時接種も可能のため予防接種スケジュールを変更する必要はありません。
シナジス注射の適応
以下の方は重症化のリスクが高く保険適応でシナジスを接種できます。
①早産児
・在胎期間28 週以下(28週6日まで)で6月時点で12 か月齢以下
・在胎期間29 週~35 週(35週6日まで)で6月時点で6 か月齢以下
②24か月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患の児
③免疫不全があり、6月時点で24か月齢以下の児
④ダウン症候群があり、6月時点で24か月齢以下の児
2023.02.12