こどもの事故防止シリーズ⑤-「育心会」のコラム一覧

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こどもの事故防止シリーズ⑤

こどもの事故防止シリーズ⑤-「育心会」のコラム一覧

こどもの事故防止シリーズ⑤

~新型コロナウイルス抗原検査キット抽出液の誤飲事故が起こっています!~

8月の日本小児科学会のInjury Alert (傷害速報)で『新型コロナウイルス抗原検査キット抽出液の誤飲』の事例が紹介されてます。

4歳男児の事例で「のどが渇いた。ふたを開けたらリンゴのにおいがしたので飲んだ。」とのことで抽出液を4本飲んでしまったようです。

抽出液には、極めて低濃度ですが防腐剤としてアジ化ナトリウムが含まれています。

アジ化ナトリウムを飲んでしまうと、頭痛や吐き気、嘔吐、めまい、胸部不快感、息切れ、血圧低下などを起こします。
アジ化ナトリウムのヒト経口での毒性量は,最小中毒量:510 mgと報告されています。

新型コロナウイルス抗原検査キットの抽出液に含まれるアジ化ナトリウムは0.1%以下で、1本0.20.5mlの抽出液を数本飲んだとしても中毒症状がでることはないと思われます。
ただ、検査キットによっては抽出液ボトルから検体抽出容器に分注するようになっており,小さい子どもが抽出液ボトルの液体を全て誤飲すると中毒症状が出現する可能性があります。

自宅にキットがあるご家庭も増えてきていると思うので、管理には注意が必要です。

①子どもの近くで検査キットを使用せず、使用後は速やかに廃棄しましょう。
子どもの手の届かないところに保管しましょう。

小さな子どもは、大人が思いもよらないものを口に入れたり、思いもよらない行動を起こすことがあります。
どのような事故が実際に起こっているかを知っておくことで、普段どんなことに注意が必要かも知ることができます。
以下のサイトで実際の子どもの事故例を知ることができ、参考になるので、お時間がある時に目を通しておくことをおすすめします。

・日本小児科学会 Injury Alert (傷害速報)
http://www.jpeds.or.jp/modules/injuryalert/

・日本中毒情報センター
https://www.j-poison-ic.jp/

ミューザ川崎こどもクリニックでは健診などの際に、年齢ごとに起こりやすい事故や日常の注意点などもお話させて頂いています。
また、病気のことだけでなくお子さんに関する様々な疑問、相談等もお受けしておりますのでお気軽にご相談ください。

院長 三井 理恵
院長 三井 理恵
  • 記事監修
  • 院長 三井 理恵
  • 群馬大学医学部医学科 修了、東京医科歯科大学医学部 皮膚科、東京医科歯科大学関連病院。
    皮膚科専門医、日本アレルギー学会、接触皮膚炎学会、日本研究皮膚科学会
小児科顧問 三井 俊賢
小児科顧問 三井 俊賢
  • 記事監修
  • 小児科顧問 三井 俊賢
  • 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程 修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院(こうかんクリニックなど)
    医学博士、小児科専門医、小児科指導医
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