子どもの「蚊に刺され」対策と注意すべき皮膚の病気:とびひ・蜂窩織炎・そしてSFTSについて-「育心会」のコラム一覧

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子どもの「蚊に刺され」対策と注意すべき皮膚の病気:とびひ・蜂窩織炎・そしてSFTSについて

子どもの「蚊に刺され」対策と注意すべき皮膚の病気:とびひ・蜂窩織炎・そしてSFTSについて-「育心会」のコラム一覧

子どもの「蚊に刺され」対策と注意すべき皮膚の病気:とびひ・蜂窩織炎・そしてSFTSについて

夏休みに入り、旅行など外出する機会も増えてきたかと思います 🙂 
この時期、当法人クリニックでも虫刺されで受診されるお子さんが増えています。

今回は、身近な蚊に刺されから、注意すべき皮膚の病気、さらに最近話題になっているSFTS(重症熱性血小板減少症候群)についても詳しくお伝えします。

蚊に刺された時の子どもの体の反応

蚊は、刺された時に唾液を注入します。

この唾液に含まれる成分に対して、体はアレルギー反応を起こします。この反応の出方は、年齢によって異なります。

  • 赤ちゃん(生後すぐ):
    蚊に刺されても、まだアレルギー反応を起こすための「抗体」ができていないため、ほとんど反応が見られません。

  • 幼児〜小学生:
    刺された翌日以降に赤く硬いブツブツができ、強いかゆみを伴います(遅延型反応)。この段階では、刺された直後の反応はほとんどありません。

  • 思春期以降:
    刺された直後からかゆみを伴う赤い膨らみができ、数時間で軽快します(即時型反応)。遅延型反応も同時に起こることがあります。

  • 大人:
    ほとんどの人が即時型反応のみとなり、数時間でかゆみが治まります。

  • 高齢者:
    再び反応が鈍くなり、無反応になることもあります。

お子さんの場合、遅延型反応しか出ないことが多いため、「朝起きたら手足や顔にたくさんの赤いブツブツができていた!」と驚かれる保護者の方も少なくありません。
かゆみが強いと我慢できずに掻き壊してしまいがちですが、掻くことでさらにかゆみが増すため、刺されたらすぐに市販のかゆみ止めを塗ってあげましょう。

蚊に刺されから広がる「とびひ」と「蜂窩織炎」

掻き壊した傷口から細菌が入り込むと、皮膚の病気を引き起こすことがあります。

  • とびひ(伝染性膿痂疹)
    掻き壊した傷口から細菌が入り、ジュクジュクしたただれや水ぶくれが「火事の飛び火」のように体のあちこちに広がります。
    人にうつることもあるため、早めの治療が必要です。
    • 蜂窩織炎(ほうかしきえん)
      傷口から入った細菌が皮下組織で増殖し、刺された場所が赤くパンパンに腫れ上がり、熱をもって強い痛みを伴います。
      発熱することもあります。重症化すると入院が必要になることもあるため、注意が必要です。

    「あれ?」と思ったら、症状が悪化する前に早めに受診してください。

    蚊だけじゃない!マダニに注意すべき「SFTS」

    虫刺されの中でも、特に注意が必要なのがマダニです。

    マダニは、草むらや藪に生息しており、SFTS(重症熱性血小板減少症候群)というウイルス感染症を媒介することがあります。

    SFTSの症状は、発熱、消化器症状(食欲低下、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛など)が中心で、重症化すると命に関わることもあります。
    予防のためには、草むらや藪に入る際は長袖・長ズボンを着用し、肌の露出を少なくすることが大切です。

    また、マダニに刺されても、無理に引き剥がさないでください。
    マダニの口器が皮膚の中に残り、化膿する原因になります。
    もしマダニに刺されていることに気づいたら、すぐに医療機関を受診しましょう。

    蚊・ダニ対策で安全な夏を過ごしましょう

    虫刺されの予防法

    • 室内の対策:
      網戸を閉め、寝室にいる蚊は就寝前に殺虫剤などで駆除しましょう。

    • 屋外での対策:
      外遊びをする際は、
      虫よけスプレー長袖・長ズボンで肌の露出を減らしましょう。

      ※虫よけスプレーは基本的に生後6か月未満の赤ちゃんには避けるのが安心です。
      ※生後6か月を過ぎたら、ディートが少ないものやイカリジン配合の虫よけスプレーの使用がおすすめです。

     

    お子さんの爪を普段から短く切っておくことも、掻き壊し防止に役立ちます。

    この夏、お子さんが元気に過ごせるよう、虫刺され対策を万全にしていきましょう。

    何か気になる症状があれば、いつでも当法人お近くのクリニックにご相談ください。

    虫刺され等についてのお問い合わせはこちら▼

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