“あたまのかたち“ 予防のすすめ-「育心会」のコラム一覧

ヘッダー画像

“あたまのかたち“ 予防のすすめ

“あたまのかたち“ 予防のすすめ-「育心会」のコラム一覧

“あたまのかたち“ 予防のすすめ

ここ最近、赤ちゃんの“あたまのかたち1”についてご相談される方が多くなったなぁ、と感じています。

当院で“あたまのかたち”を相談されるタイミングで最も多いのが、4か月健診時です。それまで風邪をひくこともなく、小児科を受診する必要性もなかった結果だと思うので、そのこと自体はとても素晴らしいことです。しかし、“あたまのかたち”をご相談になるのであれば、もう少し早い時期をお勧めしたいと思います。

 

理由は次の通りです。

もし、積極的な治療(ヘルメット療法)を希望される場合、生後3~6か月が最適といわれています。4か月健診後に専門病院の予約、受診、ヘルメットを作成して装着するまでの時間を考えると、最適な時期を逃してしまう可能性があります。

また、頭のゆがみの進行を防ぐことができる可能性が、あかちゃんが自分で首を動かせるようになる前、生後12か月頃までにあるので、知っておくと良いのではないか、と思う対応方法があります(ただし、必ずしも“まんまるになる“ということではないことをご留意ください)。

 

 

今回は、“あたまのかたち”予防2のすすめとして、生後12か月ごろまでに、自宅で対応できることをまとめてみました。

 

1 “あたまのかたち”とは、位置的頭蓋変形(頭のかたちの歪み)のことを示しています。

2 “あたまのかたち”予防とは、頭蓋変形が悪化進行しないための対応を示します。

 

【“あたまのかたち”予防のすすめ】

赤ちゃんは、乳幼児突然死症候群(SIDS)予防のため、あおむけで寝ることが勧められます。このことがみなさんに周知された結果、SIDS予防は素晴らしい結果を残しており、続けていく必要があることです。その一方、“あたまのかたち”の問題が目立ちはじめました。つまり、“あたまのかたち”の予防で大切なポイントは、首を動かせない赤ちゃんが寝るときに、床に頭の1点をあてつづけないようにすることなのです。では、自宅ではどのような対応でできるのでしょうか。

 

  • 生まれたばかり~1か月の赤ちゃんの場合、自分で首を動かすことができません。同じ方向ばかり向かないように、時々、そっと顔の向きを変えてあげましょう。
  • 寝かせる位置の工夫も大切です。 赤ちゃんの興味のあるものの位置を工夫し、同じ方向ばかり向かないように調整します。
  • タミータイムの導入;赤ちゃんが起きているときに行います。1日2~3回、1回3~5分。腹ばいやはいはいが可能になるまでの時期、保護者が赤ちゃんの顔をしっかり観察しながらうつぶせ練習をします。口・鼻が敷布団で塞がれて窒息にならないように気をつけましょう。
  • 頭が圧迫されない姿勢で過ごす時間を作ることを意識し、抱っこや、授乳時も平らな頭側がずっと下にならないよう抱いて授乳しましょう。

 

 

ぜひ、ご自宅で試してみてください。

それでも気になるな、ということでしたら、生後23か月頃に当院へご相談ください。自費診療にはなりますがヘルメット療法をご提案することも可能です。

育児をしていると、いろいろ気になることがあると思いますが、“あたまのかたち”だけにこだわりすぎず、お父さんもお母さんも、赤ちゃんも、育児の時間を楽しく過ごしていただきたいです。

 

 

 

 

参考文献;

1、小児の頭蓋健診・治療ハンドブック 赤ちゃんの頭のかたちの診かた(日本頭蓋健診治療研究会 編著、メディカ出版)

院長 大熊 喜彰
院長 大熊 喜彰
  • 記事監修
  • 院長 大熊 喜彰
  • 日本医科大学医学部 卒業、順天堂大学大学院・医学研究科博士課程修了、国立国際医療研究センター小児科勤務、東京女子医科大学循環器小児科勤務
    医学博士、日本小児科学会小児科専門医、日本小児科学会指導医、日本人類遺伝学会臨床遺伝専門医、そらいろ武蔵小杉保育園(嘱託医)、にじいろ保育園新丸子(嘱託医)
クリニック別コラム一覧
  • さくら
  • 問診
  • ミューザ川崎こどもクリニック
  • 新川崎ふたばクリニック小児科皮膚科
  • さくらキッズくりにっく
  • 武蔵小杉 森のこどもクリニック 小児科・皮膚科
  • ミューザ川崎こどもクリニックプラス
  • 二子新地ひかりこどもクリニック
  • 渋谷国際皮膚科医院
  • 糀谷こどもクリニック