子どもの不安にどう対応していますか?
こんにちは。さくらキッズくりにっくの心理士です。今日は「子どもの不安への対応」について取り上げます。
お子さんが何かを怖がったり、泣いていたりするとき、どのような言葉かけをしていますか?多くの親御さんは優しい笑顔で「怖かったね。でも、大丈夫だよ。」と安心させてあげているのではないかと思います。さくらキッズくりにっくでも親御さんのそのような温かな笑顔を日々見かけます。「もうお兄さん(お姉さん)なのに泣くのはおかしいよ!」等と叱るより、子どもが落ち着くというのをご経験で感じている方もいらっしゃるかもしれません。このように大人にゆったりとした気持ちで「大丈夫」と安心させてもらうと、なぜ子どもは落ち着くのでしょうか?このことには脳の情報処理が関係しているとする説があります。
例えば、子どもが怖い体験をしたとき、不安を感じているとき、その感情を生み出すのは脳の中の大脳辺縁系という場所です。そのときに親御さんから優しく抱きしめられ、「大丈夫だよ」という言葉をかけてもらうと、大脳辺縁系から今度は「安心」という感情が生み出されます。こうして、「出来事→不安→安心」という情報処理がなされ、恐怖や不安が上書きされていきます。このような情報処理がなされると、子どもは不安や恐怖に脅かされず、乗り越えていけるようになっていくのです。このメカニズムについては「ちゃんと泣ける子に育てよう」(大河原美以、河出書房出版)に詳しく書かれています。是非読んでみてください。
親も人間ですから、いつも優しく対応できるわけではないでしょう。周囲から「甘やかしている」と言われることもあるかもしれません。また、子ども自身にも持って生まれた繊細さがあり、その程度は子どもによって違いますので、いくら安心させても不安がるお子さんもいるでしょう。でも、子どもの不安等に対して自信を持って対応するためには、このようなメカニズムを知っておくことはとても大切です。余談ですが、我が家の子どもは虫が大嫌いで、家の中に小さなクモを見かけただけで大騒ぎをします。これは、私自身も虫が大嫌いなため、親が怯える姿を見せたことで「虫→怖い→やはり超怖い」という情報処理がなされてしまったのだろうと反省する日々です…。