今季流行が予想されているインフルエンザA香港型って?
2020年から2022年にかけてはインフルエンザの流行はこれまでになく少ないものでした。しかし、2022年の冬は再び流行をきたす可能性があります。
インフルエンザには主に、A(H1N1)亜型(新型インフルエンザ)、A(H3N2)亜型(いわゆる香港型)、B型の種類があります。
海外の流行状況から、今年はインフルエンザA香港型(H3N2)の流行が予想されています。
インフルエンザA香港の流行した場合の注意点は?
インフルエンザA香港型が流行した場合、小児と高齢者の重症・入院例が多くなることが分かっています。さらに小児の場合、熱性けいれんでの入院が多くみられます。
また,インフルエンザ脳症は最も深刻な合併症の1つで,いずれの型にも起こりうるが,A香港型で最も頻度が高いことが分かっています。(*)
熱性けいれんや脳症がなぜA香港型に多くみられるかは明らかになっていません。
何よりもインフルエンザは予防が一番
インフルエンザの予防として、手洗い、マスク着用、うがいが重要ですが、最も効果的なのは、インフルエンザワクチンの接種です。インフルエンザワクチンは、発病を完全に阻止することはできませんが、症状を軽くし、合併症による入院や死亡を減らすことが分かっています。
ワクチン接種、今からでも遅くない!?
例年1月末にインフルエンザの流行のピークを迎えること、ワクチンの効果は接種後2週間目から5ヶ月間持続することから、11月中に、2回の接種を済ませることが望ましいと考えています。まだ接種されていない場合は、早めの接種をお勧めします。仮に11月中の接種が間に合わなかった場合でも、近年、春先まで流行する傾向にありますので、12月、1月の接種でも効果はあると考えます。
インフルエンザワクチン外来では、
感染対策の観点から院内滞在時間をなるべく短くするよう、事前決済システムを導入しています。
ミューザ川崎こどもクリニック インフルエンザワクチン外来の予約URL
https://mkkodomo.mdja.jp/index.php?del2=1&gid=4&s=4p6o05ofecpp8i21vlos70beml
(*)参考文献
1)熱性けいれん患児の咽頭からのウイルス分離.小児科臨床55:2002
2)熱性けいれんの疫学的特徴とウイルス感染との関連.小児科臨床62:2009
3)インフルエンザの臨床像.小児科診療70 2007
4)厚生労働省インフルエンザ脳炎・脳症研究班:「インフルエンザ脳症」の手引き.2003
5)インフルエンザ脳症.小児科診療70:2007
2022.11.08