RSウイルスに対する母子免疫ワクチン「アブリスボ®」接種できるようになりました
2024年6月から「アブリスボ®」が接種できるようになりました。
このワクチンは、RSウイルスに対する母子免疫ワクチンで、妊婦の方が接種することで生まれてくる赤ちゃんのRSウイルス感染症の発症と重症化を防ぐことを目的としています。
費用は自己負担となりますが、RSウイルスの脅威を考えると、接種を前向きに検討していただいて良いワクチンだと言えます。
*RSウイルスとは
RSウイルスは赤ちゃんの呼吸器感染症の主な原因の一つです。
感染すると発熱や咳、鼻水といった症状が現れ、気管支炎や肺炎を引き起こすことがあります。
特に生後6ヵ月以内の赤ちゃんは重症化しやすいため注意が必要です。人工呼吸器による集中治療を受けるほど重症化する場合もあります。
現時点でRSウイルスに対する特効薬はなく、基礎疾患を持たない健康な乳幼児が入院患者の大多数を占めています。
*現在のRSウイルス対策
RSウイルスに対するワクチンはなく、治療は対症療法が中心となります。
*アブリスボ®とは
妊婦の方が接種すると母体のRSウイルスに対する抗体が高まり、それが胎児に移行することで、出生後の乳児がRSウイルス感染症(気管支炎や肺炎など)にかかるのを防ぐことを目的とした母子免疫ワクチンです。
2023年8月にアメリカ食品医薬品局(FDA)から承認を受けており、同年9月には米国疾病管理予防センター(CDC)も推奨しています。また、欧州医薬品庁(EMA)でも2023年8月に承認されています。
日本では、日本小児科学会がこのワクチンによるRSウイルス感染症予防に期待を寄せています。
<対象>
妊娠24~36週の妊婦
(望ましい週数は28~36週)
*接種後14日以内に出産した場合の有効性は確立していません。
<効果>
概ね発症予防効果が50%、重症化予防効果が80%と言われています。
<価格>
35,000円(税込)
<副作用>
アブリスボ®接種による早産の増加や新生児の異常の増加は報告されていません。
RSウイルスに対する母子免疫ワクチン「アブリスボ®」に関するお問い合わせは以下クリニックまでお願いします。