この夏、蚊からうつる(感染する)日本脳炎にご注意を!-「育心会」のコラム一覧

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この夏、蚊からうつる(感染する)日本脳炎にご注意を!

この夏、蚊からうつる(感染する)日本脳炎にご注意を!-「育心会」のコラム一覧

この夏、蚊からうつる(感染する)日本脳炎にご注意を!

8月に入り、暑い日が続きますね。

さて、夏といえば厄介なアイツが増える季節です。その名はそう『蚊』です。

蚊は血を吸って痒みをもたらすだけではなく、様々な病気を運んで来てしまうのです。

 

蚊が運んでくる病気は、

・マラリア

・黄熱病

・日本脳炎

・デング熱

・チグングニア熱

などなど。

 

その中でも名前に馴染みのある【日本脳炎】について少しお話します。

 

【日本脳炎とは?】

日本脳炎は人から人にうつる病気ではありません。日本脳炎ウイルスに感染した豚を蚊が刺し、その蚊が次に人を刺すとウイルスに感染します。

潜伏期間は6~16日とされています。感染した1001000人に1人が発症するとされ、発症すると、高熱・頭痛・悪心・めまいなどが現れます。そして徐々に意識障害・まひ・けいれんなどの神経症状が出現します。

死亡率は20~40%とされています。幼少児や老人では死亡率が高く、小児では重度の神経障害を残すことが多いと言われています。

最近では、オーストラリアでの集団発生の報告があったり、日本でも熊本県や千葉県での発生報告があり、決して他人事ではありません。

 

【治療方法はない!予防が重要!】

残念ながら日本脳炎には特効薬も特異的な治療法もありません。

日本脳炎は症状が現れた時点ではすでにウイルスが脳内に達し、脳細胞を破壊しています。

将来ウイルスに効く薬が開発されたとしても、一度破壊された脳細胞を治すのは困難であろうと言われています。

 

日本脳炎は予防が最も大切になるという事です。

予防は蚊の対策と予防接種の2本柱!

 

①蚊の対策

蚊の活動が活発になる今の時期、まずは蚊を発生させない事が第一です。蚊は少しでも水があるとそこに卵を産み繁殖します。家の周りにある些細なものでも水が溜まればそこから蚊が多く発生します。

・バケツ

・植木鉢の受け皿

・側溝

・地面のくぼみ

・古タイヤ  

 

皆さんのご自宅の周りはいかがですか?

水を溜めないように意識してご自宅周辺を点検してみてください。

そして蚊取り線香を使用したり、必ず網戸を閉める事、など蚊を近づかせない事も大事です。

 

②やはりワクチンが重要!

日本脳炎ワクチンは生後6か月から公費で接種可能です。

標準的には3才に達してから1期初回1回目、6日以上28日の間隔をあけて2回目を接種します。さらに1期追加として2回目から6か月以上の間隔をあけて接種します。そして9才に達してから第2期の接種を行います。

 

※平成17年5月からの勧告によって、積極的な接種勧奨が差し控えられていたことにより日本脳炎の接種機会を逃してしまった方は特例として20才未満までの間であれば公費で接種が可能です。

 

日本国内での近年の日本脳炎発生数は毎年おおよそ10名前後です。昔と比べて近年の発生数が低いのは自然と減少していった訳ではなく、ワクチンの定期接種の賜物です。

日本脳炎だけでなく、世界中にはまだ有効なワクチンが開発されていない病気がたくさんあります。そんな中でせっかく有効なワクチンがあるのに接種の機会を逃してしまうのはもったいないです。

お子様の大切な健康と命を守るためにも、ワクチンで予防できる病気はワクチンをしっかり接種して予防していきましょう!!

 

【出典】

国立感染症研究所

厚生労働省

院長 久保田 亘
院長 久保田 亘
  • 記事監修
  • 院長 久保田 亘
  • 昭和大学医学部 卒業
    小児科専門医、小児科指導医、日本腎臓学会専門医、日本小児腎臓病学会代議員
    二子新地ひかりこどもクリニックでは、おねしょ・肥満・低身長・食物アレルギー・育児相談など、各分野の小児科エキスパート複数名で診療にあたります。
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