ヘルパンギーナ、RSウイルス 流行の兆しあり
ここ数年、新型コロナウイルス感染症以外の感染症の大きな流行があまり見られませんでした。しかし、今年(2023年5月19日現在)、ヘルパンギーナとRSウイルスが流行しそうな兆しがあります。
国立感染症研究所によると、ヘルパンギーナの感染報告数はこの2ヶ月間、増加し続け、過去5年間の同時期に比較してかなり多くなっています。RSウイルスに関しても、過去5年間の同時期の平均に比べ報告数が多く、RSウイルスが大流行した2021年と似た感染動向をとっています(*)。
ヘルパンギーナは、夏に流行する主にコクサッキーウイルスが原因のかぜです。高熱と咽頭痛、口内炎が主な症状で、喉の痛みが強いため、食事や水分を受け付けなくなることから脱水症状を起こすこともあります。
RSウイルスは、乳幼児に呼吸器の感染症を引き起こすウイルスです。症状としては、軽いかぜ、ゼーゼー、重い肺炎まで様々です。赤ちゃん、特に予定日よりも早く生まれた赤ちゃん、呼吸器や心臓に持病のある赤ちゃんなどが感染すると重症化することがあります。
どちらとも感染予防対策としては、手洗い・うがいです。その他、マスクの着用、タオルや食器を分けるなど、家族内感染予防にも効果的です。
喉が痛くて飲み込めない、赤ちゃんが鼻かぜでゼーゼーしているようでしたら、ヘルパンギーナ、RSウイルスの疑いがありますので、早めに受診してください。
(*)参考文献
国立感染症研究所 感染症週報 第25巻 第17・18合併号 2023年5月19日発行