麻疹風疹ワクチンの接種について-「育心会」のコラム一覧

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麻疹風疹ワクチンの接種について

麻疹風疹ワクチンの接種について-「育心会」のコラム一覧

麻疹風疹ワクチンの接種について

麻疹風疹ワクチンの接種率が低下しています!

 

新型コロナウイルスが5類相当となりました。再び外国からたくさんの観光客がいらっしゃるようにもなり、ようやくコロナ前の日常を取り戻しつつあります。

もう新しい感染症はこりごり、誰もがそう感じていると思います。

既存の感染症でも流行したら怖いものがたくさんあります。その中でも、時おり日本で流行して大きな話題となるものの代表が麻疹(はしか)です。

折しも最近都内で3年ぶりに麻疹の感染者が出たとの報告が出ました。

麻疹は大変感染力が強く、症状は高熱、発疹、咳嗽などです。合併症として肺炎や脳炎になることがありますし、1000人に1人は命を落とす怖い感染症なのです。まれではありますが麻疹にかかって7-10年したところでSSPE(亜急性硬化性全脳炎)という病気を発症することもあります。これは非常に予後の悪い疾患として知られています。

麻疹には特効薬はありません。合併症やSSPEを予防する薬もありません。予防接種でかからないようにするのが一番です。

麻疹はそれだけの単独ワクチンもありますが、主に麻疹風疹混合ワクチンを使用しています。(ここでは詳しくは書きませんが、もちろん風疹も怖い感染症です。)1期の定期接種は1歳から2歳になるまでの間、Ⅱ期の定期接種は小学校入学前の学年(いわゆる年長さん)の間に行うことになっています。

今までは1期の接種率は95%以上の高いレベルで保たれていたのですが、2021年度に、その接種率が93.5%に低下してしまいました。背景には新型コロナウイルス感染症での受診控えがあるのではないかと考えられています。日本は2015年に麻疹の排除状態と認定されたのですが、その状態を保つためには95%以上の接種率が必要だとされています。

現在世界には戦争や内戦、人口増加などで麻疹の予防接種を受けられない子どもが多くいます。いつどこで麻疹の流行が起きてもおかしくないですし、世界のどこかで起こっている感染症の流行は、まもなく日本でも流行する可能性が高いことは今回の新型コロナ感染症の流行で身に染みて感じていることと思います。

今一度、母子手帳を開いていただき、麻疹風疹ワクチンを受け損ねていないかチェックをしてください。

定期接種の期間を過ぎている場合は自費になりますが、ぜひ接種することをお勧めいたします。

麻疹風疹ワクチンについてお分かりにならないことがありましたら当院までお問い合わせ頂きたくお願いいたします。

                            ミューザ川崎こどもクリニック

                                  044-542-8868

2023.05.17

院長 三井 理恵
院長 三井 理恵
  • 記事監修
  • 院長 三井 理恵
  • 群馬大学医学部医学科 修了、東京医科歯科大学医学部 皮膚科、東京医科歯科大学関連病院。
    皮膚科専門医、日本アレルギー学会、接触皮膚炎学会、日本研究皮膚科学会
小児科顧問 三井 俊賢
小児科顧問 三井 俊賢
  • 記事監修
  • 小児科顧問 三井 俊賢
  • 慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程 修了、慶應義塾大学医学部 小児科、慶應義塾大学関連病院(こうかんクリニックなど)
    医学博士、小児科専門医、小児科指導医
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