子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)について
2023年4月から、「シルガード9」という子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)が厚労省によって新たに公費の定期接種に組み込まれる予定です。
子宮頸がんは、日本の女性のがんによる死亡原因の9位に位置する病気です。 20〜40歳代の若い女性に発生しやすく、ちょうど出産される方も多い年代のためマザーキラーとも呼ばれており年間3000人以上の女性がこの病気で亡くなっています。
子宮頸がんは一般的ながんと異なり、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が 主な原因となっています。HPVワクチンは、この感染を防ぐことでがんの発症を 予防することができます。 ウイルスには同じ名前の中でも「型」が複数あり、病原性の高い複数の型に対して予防効果のあるワクチンが使用されます。
これまで定期接種に採用されていたワクチンには、ガーダシル(4価)とサーバリックス(2価)があります。これらによって65〜70%のHPV感染が防げました。
シルガード9(9価)は、9つの型に対応したHPVワクチンとなり、80〜90%のHPV感染を防げるようになりました。既に世界各国で男女共に接種されており、そういった国々ではHPV感染や前がん病変の発生が有意に低下しています。
日本では2023年4月から9価ワクチンのシルガード9も女性について公費での接種が始まります。3月現在接種を検討されていらっしゃる方は、期間に余裕があるようでしたら4月以降の接種をお勧めします。
なお、当院におきましては川崎市で9価ワクチンの公費接種手続きの準備が出来次第実施可能となりますので随時お知らせいたします。お急ぎの方は、現行のワクチン(2価または4価)でも接種は可能ですのでご相談下さい。
2023.03.24