胃腸炎流行中!ホームケアについて
胃腸炎のホームケアについて
こんにちは。森のこどもクリニック看護師です 😀
今季も流行している胃腸炎のホームケアについてお伝えさせていただきます。
急性胃腸炎は嘔吐、吐き気、腹痛、下痢、時に発熱や頭痛などの風邪症状を伴い、吐き気のピークとして12時間から48時間続き、徐々に下痢の症状に移行していきます。症状に応じて吐き気止めや整腸剤が処方されますが、特効薬はないため、おうちでのケアが重要となってきます。嘔吐・下痢どちらの症状でも、体の中から必要な水分と電解質が排出されてしまいますので、脱水に注意が必要です。
★吐物・便の処理方法
使い捨てのエプロン、マスクと手袋を着用し吐物・便を取り除いたあと、その周辺にペーパーをかぶせ、塩素濃度0.02%に薄めた次亜塩素酸ナトリウム(製品により希釈量が違います)で浸すようにふき取り、その後水拭きをします。おむつ等は、速やかにビニール袋に密閉して破棄します。乾燥したあとにウイルスが空気中に舞う可能性があるため換気をし、しっかり処理しましょう。アルコール消毒では死滅しないため、処理後は手洗いをします。服に付着した場合は、吐物・便を取り除いたあと下洗い、85℃以上の熱湯に2分以上浸し、他の洗濯物とは別に洗ってください。
★嘔吐や吐き気が強い時の水分摂取
・最終嘔吐から2~3時間は絶飲食でおなかを休ませます。
・2~3時間経って吐いていなければ小さじ1杯分の水分を飲ませ、10分間様子を見ます。
・10分後に嘔吐がなければ小さじ2杯、さらに10分後に嘔吐がなければ小さじ3杯と、少量を頻回に水分を与えていきます。
途中で嘔吐した場合はもう一度時間をしっかり空けてから水分摂取を始めていきます。
水分は塩分や糖分を含むOS-1(経口補水液)などを摂取させますが、本人がどうしても嫌がるようであれば飲めるものでかまいません。
食事は水分がコップ1杯(50~100ml)を飲んでも嘔吐しなくなってから、うどんやおかゆ、すりおろしりんごなど本人が食べられるものを開始します。食欲がなければ無理に食べさせず、水分をしっかり与えましょう。
嘔吐した後に、本人が水分を欲しがる場合がありますが、欲しがる分だけあげてしまうと、再度嘔吐し、かえって脱水が進行してしまう場合もあるため、保護者の方で制限しましょう。
★下痢の症状がメインの場合
吐き気がなければ、水分摂取を十分に行ってください。水分を多く飲むと水っぽい便になる、下痢が悪化するということはありません。下痢がひどい時には高脂肪の食事は控え、いつもより細かく刻み、柔らかく調理したもの少量を数回に分けて摂取しましょう。ミルクを薄める、母乳を制限する必要もありません。
★救急受診を検討する状態
脱水症状:おしっこの量が少ない(半日以上おしっこがでない、おしっこの色が濃い、茶色)、ぐったりしている、泣いているのに涙がでない
6時間以上続けて吐いている、吐いたものが緑色、おなかをひどく痛がる、血便が出た
年齢等によって自宅での水分摂取が難しく、点滴や入院が必要になる場合もありますので早めに受診、お問い合わせください。
参考
2023.02.09