5歳未満のコロナワクチン接種が始まりました。どうしたらよいですか?-「育心会」のコラム一覧

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5歳未満のコロナワクチン接種が始まりました。どうしたらよいですか?

5歳未満のコロナワクチン接種が始まりました。どうしたらよいですか?-「育心会」のコラム一覧

5歳未満のコロナワクチン接種が始まりました。どうしたらよいですか?

生後6か月以上5歳未満までの新型コロナウイルスワクチン接種が始まりました。世田谷区でも接種券が配布されており、最近くりにっくにも接種したほうがよいかのご相談いただくことが多くなりました。そこで本日は「生後6か月以上5歳未満のお子さんに対するコロナワクチン」についてのお話です。

🌸こどものコロナ感染

これまでこどものコロナ感染による重症化は少ないと考えられてきました。 実際に小児のコロナ患者さんの95%以上は軽症ですが、中にはクループ症候群、肺炎、けいれん、嘔吐・脱水などや、心不全をきたしうる小児多系統炎症性症候群、脳症、心筋炎が報告されています。

国内における10歳未満、10歳代のコロナによる死亡例はオミクロン株流行前の2021年末においてはそれぞれ0例、3例でしたが、オミクロン株流行後のわずか9か月で、それぞれ21例、10例の死亡が報告されており、20歳未満における累積死亡者数は31例まで増加しています。

また厚生労働省および国立感染症研究所が行った新型コロナウイルス感染後の20歳未満の死亡例に対する調査では、29例中14例(48%)が5歳未満であったことが報告されました。 死亡例に基礎疾患の有無は関連していませんでしたが、一般的に2歳未満と基礎疾患のあるお子さんにおいて、重症化リスクが増すという報告があります。

🌸生後6か月以上5歳未満の小児におけるワクチンの有効性と安全性

現在日本でのまとまったデータはなく、データはすべて海外での集積になります。 ワクチンのオミクロン株流行期における発症予防効果は、生後6か月から23か月児で75.8%、2-4歳児で71.8%と報告されています。 また有害事象のほとんどが軽症から中等症で、局所反応や発熱、下痢、不機嫌・啼泣、食欲不振、傾眠傾向などの全身反応が見られ、3歳以降のお子さんに比べて生後6か月から2歳のお子さんに多くみられました。

🌸ワクチンについて

現在国内で生後6か月以上5歳未満のお子さんに認められているワクチンはファイザー社製のみです。12歳以上を対象にしたものと比べるとmRNA量が1/10、5-11歳未満用のものの3/10となっています。1-2回目は3-8週あけて、2-3回目は最低8週間あけて、合計3回の接種が必要です。

以上を踏まえて日本小児科学会は、生後6か月以上5歳未満のすべてのお子さんに対して、新型コロナワクチン接種はリスクよりも利点が上回るとして、接種を推奨しています。 お子さんにワクチンを接種するかどうかに関しては、日本での接種がまだ始まったばかりであること、既存のワクチンとの接種間隔の兼ね合いなども合わせて、ご両親でよく話し合っていただく必要があります。

もしお悩みのようであれば一度くりにっくまでご相談ください。私たちもまだ持ち合

 

わせている情報は少ないですが、ご家族と一緒に考えていきたいと思います。

なお、当院では現在コロナワクチン接種の提供を行っておりません。大変申し訳ございませんが、世田谷区のホームページをご参照ください。

https://www.city.setagaya.lg.jp/mokuji/fukushi/003/005/006/013/002/d00196448.html

2022.12.21

院長 藤井 明子
院長 藤井 明子
  • 記事監修
  • 院長 藤井 明子
  • 北里大学医学部卒、東京女子医科大学医学系大学院修了、東京女子医科大学病院、千葉市立海浜病院、長崎大学病院、長崎県立こども医療福祉センター
    医学博士、小児科専門医、小児神経専門医、てんかん学会専門医
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