ショッキングな映像との付き合い方について
「痛ましいニュースを見た日から、夜寝るのを怖がるようになりました」
「ニュースを見てから、チックが増えました」
最近は動画サイトだけでなく、テレビからも災害・事故・銃撃など、痛ましくショッキングな内容の映像が連日流れて来て、誰でも簡単に目にできるようになって来ています。
映像を見たお子さんたちへの影響を心配する親御さんも少なくないと思います。
しかし、映像を見ることを頭ごなしに禁止したり、それについて話し合うことを親御さんが拒否してしまうと、お子さんにとっては「触れてはいけないもの」として捉え、隠れて繰り返し見るようになるなど、さらに良くない影響が出てくる可能性も否定できません。
では、どのようにショッキングな映像と付き合っていけば良いのでしょうか。
<お子さんの年齢や発達段階を考え、映像との付き合い方を考えましょう>
映像については、触れる機会が最小限にとどまるように意識しましょう。テレビから流れて来たらさりげなくチャンネルを変える、動画の再生については、回数を親御さんが制限することも必要かもしれません。ただし、その際は、お子さんと話し合った上で行うことが大切です。
時間を制限せずにダラダラと見ることがないように、見る時間以外は、液晶画面に布をかけておく、PCなどを預かっておくのも良いでしょう。
<お子さんの興味に関心をもつ>
また、普段からお子さんが目にする映像の内容に関心を持っておくのも大切です。
外来では、自宅でYouTubeを見るのが好きというお子さんのお話を聞くことがあります。どんなYouTubeチャンネルが好きかなどを聞くと、嬉しそうに教えてくれます。それを一緒に聞いた親御さんから「お子さんが何を見ているのか知らなかった」というお声を聞くことがあります。普段から、お子さんの興味に関心を向けておくことも、映像との付き合い方を考える上で、大切でしょう。
<もしお子さんが、映像についてお話ししてきたり、遊びの中で表現したら…>
お子さんがどのように感じているかなどをぜひ聴いてあげてください。そして、「〇〇と思ったんだね」のように、お子さんの言葉を伝え返すことで、お子さんにとっては“自身の気持ちを否定せず、受け止めてもらえた”という体験に繋がります。親御さんの感じていることも伝え、お互いに意見交換をする場にしても良いでしょう。小さいお子さんの中には、映像の様子を遊びで再現したり、絵で表現することもあります。そうした過程を通して、お子さんなりに気持ちを整理している可能性もありますので、むやみに止めさせるのでなく、そっと見守ってあげてください。
クリニックでは、お子さんとの関わり方についても、医師や心理士が相談に応じています。お困りのことがあれば、お問合せください。