RSウィルスを予防しよう! 今年度もシナジス外来を開設します。
当院では、RSウイルス感染の重症化を予防するシナジス接種を行っています。
本年度東京都においては2023年5月から開始され、計7回まで投与が受けられます。
早産児や生まれつき心臓に疾患がある乳児のために、通常は大学病院や総合病院で行われる治療です。そのため近くのクリニックではシナジス注射を受けられず、注射だけのために毎月、遠く離れた総合病院まで足を延ばさないといけない赤ちゃんがほとんど、というのが現状です。これを解消するため、当院ではシナジス外来を開設しています。初回の投与は大学病院で、2回目以降から当院というご希望もお受けいたします。予約はお電話で承っております。
RSウイルスとは
乳幼児に呼吸器感染症を引き起こす重要な原因ウイルスです。大人が感染した場合は軽いかぜ症状のみでおさまりますが、予定日よりも早く生まれた赤ちゃん、生まれつき呼吸器や心臓に病気をもっている赤ちゃんなどが感染すると重症化することがあります。1年を通じて感染がみられますが、特に秋から春頃に流行します。今のところ、RSウイルス感染症に有効な治療薬はありません。
シナジス注射とは
RS ウイルス感染症が重症化し、肺炎や無呼吸発作のため入院治療が必要となることがあります。このRS ウイルス感染症の重症化を防ぐ目的で開発されたのがシナジスです。
シナジスは通常の予防接種で行うワクチンではなく、RS ウイルスに効果がある抗体成分を精製したもので効果は約1 か月です。流行期の間、毎月投与する必要があります。
シナジス注射の適応
以下の方は重症化のリスクが高く保険適応でシナジスを接種できます。
①在胎期間(出産時の妊娠週数)が28週以下で、12か月齢以下の乳幼児
②在胎期間が29週〜35週で、6か月齢以下の乳児
③過去6か月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けたことがある、24か月齢以下の乳幼児
④24か月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の乳幼児
⑤24か月齢以下の免疫不全を伴う乳幼児
⑥24か月齢以下のダウン症候群の乳幼児
2023.05.15