夜眠れない 朝起きられない…それは「睡眠禁止ゾーン」を知らないから?
以前こちらのブログでОD(起立性調節障害)外来の話をさせていただいております。
それに関連してすこし睡眠の話をしてみます。
睡眠障害にはいろいろなタイプのものがありますが、一番多い訴えは、朝(学校や会社に行かなければならない時間)に起きられない、また、夜に眠れないというものだと思います。
医学用語では睡眠―覚醒相後退障害と呼びます。ちょっと難しい言葉ですね。
この障害は、なんと思春期~若年成人の7~16%に認められるとのこと!
もともと10代は体内時計が「朝型」より「夜型」になりやすいようにできています。生物学的には危ない夜に元気な若者が起きてくれていた方が、敵(オオカミなど?)から身を守り易かったのかもしれませんね。
よって、自然に任せれば若者は夜更かしになるのです。
でも遅くまで起きていれば当然朝起きられません。そこで誰もがこう言います。「早く寝なさい!」
でも、いつもより早く布団に入ってもらんらんと目がさえて寝付けず…ちょっとYouTubeなど見ようものならあっという間に日付をまたぎ、再び朝起きられない…に。早く寝たはずなのになぜ??
その理由は「睡眠禁止ゾーン」にあります。
実は就寝時刻の2~4時間前は1日のなかでも脳波上もっとも眠りにくい時間帯なのだそうです。その時間を「睡眠禁止ゾーン」と呼びます。禁止しているのは他でもない、自分自身の脳なのです。
夜の勉強がはかどったり、飲み会では元気いっぱいなのはこの時間帯だからなのだそう。その時間帯を過ぎると急激に眠気が訪れることも、脳波の解析から明らかになっています。
つまり、ちゃんとした時間に睡眠をとるためには早く寝るのではなく早く起きることが大切なのです。
理屈は分かっていても、親の説教ごときで?睡眠が整うことはそうそうありません。
子どもの眠りで困りごとがありましたら当院にご相談ください。今は、子どもにも使える眠りを整える薬もあります。
そして、その際は1週間ほどの睡眠時間を記入していただいたものをお持ちいただければと思います。
2021.06.09