プレパレーション~病院での心の準備~
こんにちは。さくらキッズくりにっくです。
今週は、医師の澤田より医療コミュニケーションにまつわる豆知識をお伝えします。
1回目のテーマは「プレパレーション」です。
「プレパレーション」は、病院に受診したお子さまが、保護者の皆さまや医療スタッフのサポートのもと、ご自身が受ける検査・処置・治療などについて発達段階に応じた説明で理解を深め、心の準備をすることです。
「心理的プレパレーション」と呼ばれることもあります。
用語は知らなくても、病院に受診したときに経験した、知らず知らずのうちに保護者の皆さまがお声がけくださっていた・・・なんてことがあるかもしれません。
プレパレーションを通じて、お子さまは不安が軽減されて前向きな気持ちで治療に取り組むことができ、検査や処置が成功しやすくなると報告されています。
私たち大人でも、初めての状況を前にして、あらかじめ情報を調べて安心を得ることがあると思います。お子さまにとっても同じことです。
では、プレパレーションの具体的な方法を見てみましょう。
(1) 事前説明
これからどんな体験をするのか、お子さまがイメージしやすく、嘘がない言葉で予告をしていきます。
何を伝えよう?と迷うときには、“お子さまが受け取る感覚”にそって声をかけてみましょう。
・まわりに何が見える?
・どんなにおい?どんな味?
・聞こえてくる音は?
・つめたい?あたたかい?
・どんな感触?
・どういう姿勢でいる?
・じっとする時間はどのくらい? など
本物を見たりさわったりできるのが一番ですが、医療器具だとできない場合も多いです。
そのため、写真/絵/動画で見る、似ているおもちゃや模型をさわる、などで代替します。
もし時間が許すならば、本番にみたてたシミュレーションにもチャレンジすることもあります。
あわせて、その処置や検査がなぜ自分に必要なのか、ということもお子さまに理解できる言葉で伝えていきます。
一方向的な説明だけではなく、お子さまとやりとりしながら進め
るとよいでしょう。
わからないことはないかな?どんな気持ちかな?と、お子さまの質問や気持ちを受けとめてあげると、より安心感が高まります。
(2) 本番
お子さまおよび医療スタッフの安全第一で進めていきます。
お子さまには、その場でしてもらいたい行動を声かけします。
否定形(~~しないで)よりも、肯定形(~~するよ)の方が直感的でわかりやすいです。
処置の最中には、気持ちをまぎらわせるような道具を使ってもらうことがあります。
(例:キラキラするもの、にぎにぎボール、好きなキャラ、動画 など)
とはいえ、検査や処置は痛みを伴うものが多いのも事実です。
「泣いてもいいよ」「じっとするのを頑張ろう」と声をかけるようにしています。
(3) 終わったあと
終わった後には、無事にやり終えたことをたっぷりとほめて、「できた!」という達成感を味わってもらいます。
後日、お子さまがお人形さんやご家族を相手にお医者さんごっこをしているのを見たことがあるかもしれません。
実は子どもたちは、病院で何を経験してどう思ったかを、遊びを通して表現して消化することがあります。
自然なことなので見守りやお付き合いのほどお願いします。
・・・
今回は、「プレパレーション」のお話をさせていただきました。
当院でもお子さまの状況や必要に応じてプレパレーションをおこない、安心して医療に臨んでもらえるよう工夫してまいります。
保護者の皆さまからも、お子さまへの励ましやサポートをしていただけますと嬉しいです。
2026.06.17