育心会ティーンズ外来

なぜHPVワクチンを受けるのですか?

なぜHPVワクチンを受けるのですか?

ヒトパピローマウイルス(HPV)は、多くの男女が感染する一般的なウイルスです。子宮頸がんの原因ウイルスとして知られているため、女性のみがかかると考えられがちですが、男性も感染します。感染してもほとんどの場合は無症状で自覚することはなく、1年以内に70%、2年以内に約90%が自然に消失するとされています。しかし、長期間体内に残り、排除されないままでいると、以下のような癌を引き起こす可能性があります。

女性 子宮頸がん、肛門がん、膣がん、(癌以外では)尖圭コンジローマ
男性 中咽頭がん、肛門がん、陰茎がん、(癌以外では)尖圭コンジローマ

 

日本では毎年約1.1万人の女性が子宮頸がんを発症し、約2,900人が亡くなっています。子宮頸がんは若い年齢層で多く見られ、妊娠や出産にも影響します。

現在使用されているHPVワクチン「シルガード9」は、子宮頸がんの原因となるウイルスの80〜90%を予防するとされています。そのため、子宮頸がんの予防にはワクチン接種が非常に重要です。

HPVワクチンの公費対象は小学校6年〜高校1年相当の女性ですが、対象年齢を過ぎていても公費でHPVワクチンを接種できる場合があります。ヒトパピローマウイルス(HPV)に対するワクチン接種が差し控えられていた時期に、定期接種の対象者だった方が接種機会を逃していることがあります。

定期接種の対象年齢を過ぎても、ワクチンの有効性・安全性は確認されており、今からの接種でも遅くはありません。

 

【対象者】
1997年(平成9年)4月2日~2008年(平成20年)4月1日までに生まれた女性

【公費接種期間】
2025年3月末まで

 

~期間内の接種を終えるには2024年9月末までに接種開始を!~

上記の対象者は、公費でHPVワクチンを接種できます(これをキャッチアップ接種といいます)。

HPVワクチンは3回の接種が必要で、完了までに約6か月かかります。標準的な接種スケジュールは、1回目の接種から2か月後に2回目、さらにその4か月後に3回目を接種することです。そのため、2024年9月までに初回接種を行うことをお勧めします。

 

キャッチアップ接種対象者の中には、ご自身が対象であることを知らない方も多くいらっしゃいます。是非 周囲に情報を共有いただき、将来子宮頸がんで苦しむ方を少しでも減らしていけたらと思います。

ワクチン接種を希望される方、接種に悩まれている方も、育心会グループのクリニックにご相談ください。

 

 

●HPVワクチンについて、動画で詳しく解説しています

 

 

<HPVワクチン接種を受けられるクリニック>