• HPVワクチン(子宮頸がん等予防ワクチン)キャッチアップ接種のチャンスを逃さないで!!

    • 2025年02月28日(金)
    • ヒトパピローマウィルス感染症(子宮頸がん予防ワクチン)
    • 公費での1回目のHPVワクチンキャッチアップ接種の期限が迫ってます!!

       

      現在、以下の条件の両方に当てはまる方は、HPVワクチンを公費で接種することができます。

       

      ・平成9年度生まれ~平成19年度生まれ(誕生日が1997年4月2日~2008年4月1日)の女性

      ・過去にHPVワクチンの接種を合計3回受けていない

       

      まだ一度もHPVワクチンを接種していない方は、令和7(2025)年3月31日までに1回目の接種をすることで、2回目以降も公費で接種が可能です。

      ※公費での2回目以降の接種可能期間は、令和8(2026)年3月31日まで

       

      子宮頸がんってどんな病気?

      子宮頸がんは、子宮の入り口(頸部)にできるがんです。

      ヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染が原因で起こることがほとんどです。

      HPVは、性交渉によって感染することがあり、多くの女性が一生のうちに一度は感染すると言われています。

      なぜ子宮頸がん予防ワクチンが必要なの?

      HPVに感染しても、多くの場合は自然に治ります。

      ですが、一部の人ではHPVが長期間体内に残り、子宮頸がんになってしまうことがあります。

      子宮頸がん予防ワクチンは、HPVの感染を予防することで、子宮頸がんになるリスクを減らすことができます。

      子宮頸がん予防ワクチンの効果

      子宮頸がん予防ワクチンは、子宮頸がんの原因となるHPVの感染を約50~70%防ぐことができると言われています。

      また、子宮頸がんだけでなく、HPVが原因となる他の病気(尖圭コンジローマなど)も予防することができます。

       

      HPVワクチンに関するQ&A

      Q: HPVワクチンはいつ接種するのが良いですか?

      A: HPVワクチンは、初回性交渉開始前に接種することが最も効果的です。定期接種の対象年齢は小学校6年生~高校1年生の女子ですが、この年齢以外でも接種可能です。性交渉の経験があっても、まだワクチン接種で予防できるHPV型に感染していなければ、予防の効果が期待できます。また、ワクチン接種で予防できるHPV型の一部に感染していたとしても、感染していない他の型に対しては予防の効果が期待できます。

       

      Q: HPVワクチンにはどんな種類がありますか?

      A: 現在、日本で接種できるHPVワクチンには、2価ワクチン、4価ワクチン、9価ワクチンがあります。それぞれ予防できるHPVの種類が異なります。

       

      Q: HPVワクチンの副作用はありますか?

      A: HPVワクチン接種後、注射部位の痛みや腫れ、発熱などが起こることがあります。また、まれに重い副反応が起こることがあります。

       

      HPVワクチン接種をおすすめする理由

      子宮頸がん予防効果: HPVワクチンは、子宮頸がんを予防する最も効果的な方法の一つです。

      将来の健康を守る: HPVワクチンを接種することで、将来、子宮頸がんになるリスクを減らすことができます。

      キャッチアップ接種のチャンス: 公費でHPVワクチンを接種できる貴重な機会です。

       

      医療法人社団育心会は、「すべてはこどもの笑顔のために」を理念に、お子様とご家族の健康をサポートいたします。

       

      当グループのクリニックでもHPVワクチン接種を行っております。

      ご希望の方はお気軽にお近くのクリニックにお問い合わせください。

      お問い合わせはこちら▼

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

       

      育心会グループクリニックによるHPVワクチンについての記事はこちら▼

      ・子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)について

      ・HPVワクチンを接種しましょう

      ・中高生女子の予防接種 ~知っていますか?子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)~

      ・未来を守ってみませんか? ~子宮頸がん(HPV)ワクチンについて~

      ・【再掲!】子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)

       

      参考文献:

      ・厚生労働省 ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチンの接種を逃した方へ~キャッチアップ接種のご案内~

      ・もっと知りたい子宮頸がん予防

       

  • インフル、季節外れの流行続く 2023年は早期流行が懸念

    • 2023年07月11日(火)
    • 専門外来
    •  

      季節外れのインフルエンザ流行が続いています(2023年7月現在)

      日本では、例年、インフルエンザは12月に流行入りし、1~2月にピークを迎えることが多いです。

      しかし厚労省によると、6月25日までの1週間に報告された1定点医療機関当たりの患者は1.2人。

      2月をピークに減少傾向にありますが、流行の目安(1人)を依然上回っており、現在でも流行が続いている異例な状況です。

      過去5年間の同時期 (前週、当該週、後週)と比較してかなり多く、休校、学級閉鎖も相次いでいます。

      今季の患者は同日時点で推計439万人に上っています(昨年は約1.4万人)。

       

      早くも来季(2023年秋~2024年春ごろ)の早期流行が懸念されています

      日本の流行予測に重要な南半球のオーストラリアの保健省によると、

      2023年のインフルエンザの報告数は5月初旬から急増し始めており、過去5年間の平均を上回っています(図 2023年6月25日現在)。

      さらに、インフルの免疫がない人が依然多く、海外との人の往来も再開したため、

      専門家は例年より2カ月ほど早い10月にも流行が始まり、規模も大きくなる恐れを指摘しています。

      今シーズンはより早めのワクチン接種が推奨されています。

       

      参考文献

      https://www.niid.go.jp/niid/ja/idwr.html

      オーストラリア保健省より Australian Influenza Surveillance Report – 2023 Influenza Season in Australia

       

       

       

  • こどもの事故 意外と危ないこんなもの③ 水筒

    • 2023年06月21日(水)
    • 外科(けが)など
    • こどもの事故シリーズ第3弾は、みなさんが持っている水筒です。これから本格的な夏になります。首から水筒を下げて走っているお子さんをよく見ますが、これには重大な事故の可能性が潜んでいます。

       

      🌸水筒による膵臓外傷の報告

      7歳のお子さんが登校中に、水筒を左斜めに肩にかけ、雨天のため傘をさしながらに走っていました。小学校内に入ったところでつまずいて回転するように転倒しました。その際に地面とお腹の間に水筒が挟まり、お腹を強く打ってしまいました。血の混じった嘔吐をし、ぐったりするため救急搬送されました。検査の結果、膵臓の損傷が確認され、残念ながら手術で膵臓の半分と脾臓を摘出しなければなりませんでした。

       

      🌸予防策

      水筒はできるだけ鞄の中にしまいましょう。

      下げる場合には斜めがけにせず、水筒の位置をお腹より下げる、走らないようにするなどの工夫が大切です。

      このような事故は水筒に限ったことではありません。有名な事故としては自転車運転中の転倒により、ハンドルで腹部を強打するハンドル外傷があります。また診察室内の椅子も、めずらしくてつい回してしまうお子さんがいらっしゃいますが、これもお腹に当たると非常に危険です。お子さんはお腹の臓器が大きく、皮下脂肪が少ないなどの理由から、内臓の損傷が起こりやすいと考えられています。

      よくある事故ではありませんが、一瞬で大きなけがとなることがあります。日頃からお子さんたちに、お腹は大切な守る場所であることをお話していきましょう。またお腹をぶつけた場合、腹痛だけではなく、顔色が悪くないか、嘔吐が続かないか、注意してみていきましょう。

  • この時期喘息発作に要注意!

    • 2023年05月24日(水)
    • 小児科呼吸器の病気
    •  こんにちは。さくらキッズくりにっくの看護師です。

       季節の変わり目となり、体調を崩されている方はいないでしょうか?

       当院にも風邪症状で来院し、ゼーゼーしているお子さんも多くご受診されています。

       これから梅雨の時期がやってきます。この時期は、気温や気圧の変化が大きく、湿度も高くなり、喘息の悪化を始め、様々な体調不良が起こり、喘息発作の原因になるダニやカビが多く発生し、喘息発作を起こしやすいため予防対策についてお話していきたいと思います。

       喘息は空気の通り道(気道)がせまくなり、喘息発作を繰り返す病気です。喘息の人の気道は、慢性的な炎症があるために刺激に対して過敏な状態になります。そのため天候やダニ、カビなどのアレルゲンにも敏感に反応してしまい、喘息発作を繰り返します。喘息発作を予防するためには、苦しくない時も継続して気道の炎症を鎮めてくれる吸入ステロイド薬などの長期管理薬や定期的な受診が大切になります。

       喘息発作を起こさないように・・・

      ◆体温調整を心がけましょう

       喘息発作が一日の中で最も起こりやすいのは明け方といわれていて、就寝中は気道が狭くなるため発作が起こりやすいです。梅雨の時期は朝晩の寒暖差が大きいという特徴があり、急激な気温の変化が発作のきっかけになりやすいので、なるべく体温を一定に保てるように環境を調整しましょう。エアコンを使用する時は、設定温度は室外との温度差が5℃以内になるように一定にコントロールできるとよいですね。外出時には薄手の洋服を重ね着しておくと衣類による温度調整がしやすくなります。

      ◆冷えた室内に入る時にはマスクの着用も有効です

       喘息のお子さんは、暑い屋外から、冷房が効いた室内に入った時など、冷たい空気を急に吸い込んで、気道が過敏に反応し喘息発作のきっかけになることがあります。マスクをすることで、気道が気温差の影響を受けにくくなり、湿気も適度に保てます。

      ◆こまめにお掃除と換気をしましょう

       カビやダニを繁殖させない工夫、こまめなお掃除や換気が大切です。できれば毎日、少なくとも3日に1度は床掃除をしましょう。また、寝具類はダニが繁殖しやすいため、晴れた日には布団を干したり、布団乾燥機を活用する、掃除機を頻繁にかけるなどによりベッドや寝具は清潔に保ちましょう。

      ◆長期管理薬の継続や定期的な受診が大切です

       喘息の発作要因は様々なアレルゲンをはじめ、たばこの煙や環境の変化からくるストレスなどの刺激も原因となります。こうした刺激を避けることも大切ですが、現実には難しいこともあるため長期管理薬(吸入ステロイドやオノン、キプレス、シングレアなどの内服薬)を継続し、発作を予防することが大切です。患者さんも発作が起きてすぐの時期などは薬を飲んだり吸入したりしますが、症状が落ち着いてきたり、元気に動き回れるようになると長期管理薬を忘れてしまうことがあります。ですが、喘息の治療で大切なことは、気道の過敏性を抑えることです。そのためにも適切な方法で吸入をし、内服薬を継続しお子さんの状態に合わせた適切な治療をしていく必要があります。喘息などの慢性疾患は長期に渡る内服管理が必要であり、大変なことや悩むことも多いかと思います。なにかお困りなことがありましたらお気軽に当院にご相談ください。

  • ヘルパンギーナ、RSウイルス 流行の兆しあり

    • 2023年05月23日(火)
    • 感染症ヘルパンギーナRSウィルス感染症
    • ここ数年、新型コロナウイルス感染症以外の感染症の大きな流行があまり見られませんでした。しかし、今年(2023年5月19日現在)、ヘルパンギーナとRSウイルスが流行しそうな兆しがあります。

      国立感染症研究所によると、ヘルパンギーナの感染報告数はこの2ヶ月間、増加し続け、過去5年間の同時期に比較してかなり多くなっています。RSウイルスに関しても、過去5年間の同時期の平均に比べ報告数が多く、RSウイルスが大流行した2021年と似た感染動向をとっています(*)。

       

      ヘルパンギーナは、夏に流行する主にコクサッキーウイルスが原因のかぜです。高熱と咽頭痛、口内炎が主な症状で、喉の痛みが強いため、食事や水分を受け付けなくなることから脱水症状を起こすこともあります。

       

      RSウイルスは、乳幼児に呼吸器の感染症を引き起こすウイルスです。症状としては、軽いかぜ、ゼーゼー、重い肺炎まで様々です。赤ちゃん、特に予定日よりも早く生まれた赤ちゃん、呼吸器や心臓に持病のある赤ちゃんなどが感染すると重症化することがあります。

       

      どちらとも感染予防対策としては、手洗い・うがいです。その他、マスクの着用、タオルや食器を分けるなど、家族内感染予防にも効果的です。

      喉が痛くて飲み込めない、赤ちゃんが鼻かぜでゼーゼーしているようでしたら、ヘルパンギーナ、RSウイルスの疑いがありますので、早めに受診してください。

       

      (*)参考文献

      国立感染症研究所 感染症週報 第25巻 第17・18合併号 2023年5月19日発行  

  • 麻疹風疹ワクチンの接種について

    • 2023年05月17日(水)
    • 専門外来
    • 麻疹風疹ワクチンの接種率が低下しています!

       

      新型コロナウイルスが5類相当となりました。再び外国からたくさんの観光客がいらっしゃるようにもなり、ようやくコロナ前の日常を取り戻しつつあります。

      もう新しい感染症はこりごり、誰もがそう感じていると思います。

      既存の感染症でも流行したら怖いものがたくさんあります。その中でも、時おり日本で流行して大きな話題となるものの代表が麻疹(はしか)です。

      折しも最近都内で3年ぶりに麻疹の感染者が出たとの報告が出ました。

      麻疹は大変感染力が強く、症状は高熱、発疹、咳嗽などです。合併症として肺炎や脳炎になることがありますし、1000人に1人は命を落とす怖い感染症なのです。まれではありますが麻疹にかかって7-10年したところでSSPE(亜急性硬化性全脳炎)という病気を発症することもあります。これは非常に予後の悪い疾患として知られています。

      麻疹には特効薬はありません。合併症やSSPEを予防する薬もありません。予防接種でかからないようにするのが一番です。

      麻疹はそれだけの単独ワクチンもありますが、主に麻疹風疹混合ワクチンを使用しています。(ここでは詳しくは書きませんが、もちろん風疹も怖い感染症です。)1期の定期接種は1歳から2歳になるまでの間、Ⅱ期の定期接種は小学校入学前の学年(いわゆる年長さん)の間に行うことになっています。

      今までは1期の接種率は95%以上の高いレベルで保たれていたのですが、2021年度に、その接種率が93.5%に低下してしまいました。背景には新型コロナウイルス感染症での受診控えがあるのではないかと考えられています。日本は2015年に麻疹の排除状態と認定されたのですが、その状態を保つためには95%以上の接種率が必要だとされています。

      現在世界には戦争や内戦、人口増加などで麻疹の予防接種を受けられない子どもが多くいます。いつどこで麻疹の流行が起きてもおかしくないですし、世界のどこかで起こっている感染症の流行は、まもなく日本でも流行する可能性が高いことは今回の新型コロナ感染症の流行で身に染みて感じていることと思います。

      今一度、母子手帳を開いていただき、麻疹風疹ワクチンを受け損ねていないかチェックをしてください。

      定期接種の期間を過ぎている場合は自費になりますが、ぜひ接種することをお勧めいたします。

      麻疹風疹ワクチンについてお分かりにならないことがありましたら当院までお問い合わせ頂きたくお願いいたします。

                                  ミューザ川崎こどもクリニック

                                        044-542-8868

  • 保育園・幼稚園・学校、いつから行っていいの?

    • 2023年04月26日(水)
    • 小児科就学・就園感染症
    • こんにちは、さくらキッズくりにっくの看護師です。

       

      新年度になり、保育園・幼稚園に初めて通い始めるお子さんが多い時期ですね。

      通い始めのお子さんはお風邪を引きやすく、

      園から何度も呼び出しをされているお母さん・お父さんも多いかと思います。

       

      熱も下がり、元気になってきたけれど、

      いつから園に通っていいの?と疑問に思われるお母さん・お父さんへ、

      ご自宅での保育が必要な状態や、登園・登校しても良いのはいつから?

      についてお話いたします。

       

      🌺ご自宅での保育が必要な状態(登園・登校ができない状態)🌺

       

      🌸発熱があるとき

      ・24時間以内に37.5℃以上の熱がある

      ・24時間以内に解熱剤を使用している

      ・食欲がなく、朝ごはんが食べられなかった

      ・水分がとれない

       

      🌸下痢のとき

      ・食事や水分をとると下痢をする

      ・朝、おしっこが出ていない

      ・機嫌が悪く、元気がない

      ・顔色が悪く、ぐったりしている

      ・下痢とともに37・5℃以上の熱がある

       

      🌸嘔吐のとき

      ・24時間以内に2回以上の嘔吐がある

      ・食欲がなく、水分をほしがらない

      ・機嫌が悪く、元気がない

      ・顔色が悪く、ぐったりしている

      ・嘔吐とともに37.5℃以上の熱がある

      🌸咳のとき

       熱がなくても・・・

      ・寝ているとき、咳でしばしば起きてしまう

      ・呼吸が苦しそう

      ・ぜーぜーしている

      ・ぐったりしている

      ・朝食欲がなく、水分、食事が摂れない

       

      このようなときには、登園登校は控え、

      ご自宅でゆっくりお休みしましょう。

       

      🌺感染症にかかってしまったら🌺

       

      インフルエンザやおたふくかぜ、水ぼうそうなどは、

      出席停止をしなければならない感染症です。

      停止期間中はご自宅での療養が必要です。

      登園・登校ができるまでの期間は感染症の種類によって異なります。

       

      また、感染症によっては、登園・登校する際に、医師の記入した意見書又は保護者が記入する登園届が必要な感染症があります。

      ・医師の記入した意見書が必要な感染症

      ➡インフルエンザ、プール熱(アデノウイルス)、水ぼうそう、おたふくかぜなど

      ・医師の診断を受け、保護者が記入する登園届が必要な感染症

      ➡溶連菌感染症、手足口病、突発性発疹、ヘルパンギーナ、RS感染症など

       

      通っている保育園・幼稚園・学校によっては指定の書類があります。

      感染症にかかってしまったら、書類の必要・不必要に関しては

      通われている保育園、幼稚園、学校に確認をお願いいたします。

      登園許可証が必要な場合には、当院で書くことが可能です。

      所定の書式がある場合には書類を持参のうえ、受診してください。

      書式がない場合は、当院の書式にて対応させていただきます。

       

  • 子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)について

    • 2023年03月24日(金)
    • お知らせ小児科専門外来予防接種ヒトパピローマウィルス感染症(子宮頸がん予防ワクチン)
    • 2023年4月から、「シルガード9」という子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)が厚労省によって新たに公費の定期接種に組み込まれる予定です。

      子宮頸がんは、日本の女性のがんによる死亡原因の9位に位置する病気です。 20〜40歳代の若い女性に発生しやすく、ちょうど出産される方も多い年代のためマザーキラーとも呼ばれており年間3000人以上の女性がこの病気で亡くなっています。

      子宮頸がんは一般的ながんと異なり、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が 主な原因となっています。HPVワクチンは、この感染を防ぐことでがんの発症を 予防することができます。 ウイルスには同じ名前の中でも「型」が複数あり、病原性の高い複数の型に対して予防効果のあるワクチンが使用されます。

      これまで定期接種に採用されていたワクチンには、ガーダシル(4価)とサーバリックス(2価)があります。これらによって65〜70%のHPV感染が防げました。

      シルガード9(9価)は、9つの型に対応したHPVワクチンとなり、80〜90%のHPV感染を防げるようになりました。既に世界各国で男女共に接種されており、そういった国々ではHPV感染や前がん病変の発生が有意に低下しています。

      日本では2023年4月から9価ワクチンのシルガード9も女性について公費での接種が始まります。3月現在接種を検討されていらっしゃる方は、期間に余裕があるようでしたら4月以降の接種をお勧めします。

      なお、当院におきましては川崎市で9価ワクチンの公費接種手続きの準備が出来次第実施可能となりますので随時お知らせいたします。お急ぎの方は、現行のワクチン(2価または4価)でも接種は可能ですのでご相談下さい。

  • シナジス 2023年シーズンは4月から 

    • 2023年02月12日(日)
    • 専門外来
    • 当院では、RSウイルス感染の重症化を予防するシナジス投与を行っています。
      本年度のシナジス外来は、川崎市においては2023年4月1日から開始されます。

      早産児や生まれつき心臓に疾患がある乳児のために、通常は大学病院や総合病院で行われる治療です。

      そのため近くのクリニックではシナジス注射を受けられず、注射だけのために毎月、遠く離れた総合病院まで足を延ばさないといけない赤ちゃんがほとんど、というのが現状です。

      これを解消するため、当院ではシナジス外来を開設しています。

      初回の投与は大学病院で、2回目以降から当院というご希望もお受けいたします。

      シナジス外来では、予防接種や健診と一緒に行えるようにも調整しておりますので、ご相談ください。

      予約は電話(044-542-8866)で、承っております。

       

      RSウイルスとは
      乳幼児に呼吸器感染症を引き起こす重要な原因ウイルスです。大人が感染した場合は軽いかぜ症状のみでおさまりますが、予定日よりも早く生まれた赤ちゃん、生まれつき呼吸器や心臓に病気をもっている赤ちゃんなどが感染すると重症化することがあります。1年を通じて感染がみられますが、特に秋から春頃に流行します。今のところ、RSウイルス感染症に有効な治療薬はありません。

      シナジス注射とは
      RS ウイルス感染症が重症化し、肺炎や無呼吸発作のため入院治療が必要となることがあります。このRS ウイルス感染症の重症化を防ぐ目的で開発されたのがパリミズマブ(シナジス®)です。
      シナジスは通常の予防接種で行うワクチンではなく、RS ウイルスに効果がある抗体成分を精製したもので効果は約1 か月です。流行期の間、毎月投与する必要があります。予防接種との間隔を考慮する必要はなく、同時接種も可能のため予防接種スケジュールを変更する必要はありません。

      シナジス注射の適応
      以下の方は重症化のリスクが高く保険適応でシナジスを接種できます。
      ①早産児
      ・在胎期間28 週以下(28週6日まで)で6月時点で12 か月齢以下
      ・在胎期間29 週~35 週(35週6日まで)で6月時点で6 か月齢以下
      ②24か月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患の児
      ③免疫不全があり、6月時点で24か月齢以下の児
      ④ダウン症候群があり、6月時点で24か月齢以下の児

  • コロナ・インフル同時検査キット 自己検査の注意点5つ

    • 2022年12月08日(木)
    • 小児科感染症インフルエンザ新型コロナウィルス
    • 新型コロナウイルスとインフルエンザ感染を同時に調べられる抗原検査キットの一般向け販売が解禁となりました。発熱などの症状がある人が自宅でも検査できるようになりましたが、きちんと検査できていなければ、検査の信ぴょう性がなくなるため注意が必要です。

      そこで、コロナ・インフル同時検査キットの自己検査での注意点を5つまとめました。

       

      ① 適切な方法・環境で検査を行う

      ② 検査のタイミングに注意する

      ③ 検査結果を写真で残しておく

      ④ 自己検査対象は、重症化リスクの低い若者

      (小学生以下の子どもや高齢者は、かかりつけ医にまず相談)

      ⑤ 誤って陰性となるリスクがあることを認識する

       

       

       ① 適切な方法で検査を行う

      検査キットの扱い方によって検査の精度は変わってしまいます。検査方法ですが、鼻の穴から約2cmの位置まで綿棒をしっかりと挿入し、粘膜を拭います。

      さらに、感染対策を考慮した環境で検査を行う必要もあります。換気が適切になされていること、検査を行う相手がいる場合には、感染しないようにマスクなど感染防具をしていることなど注意が必要です。

       

       ② 検査のタイミングに注意する

      発熱などの症状が出てから検査を行わないと、誤って陰性となる可能性があります。特にインフルエンザは発症初期の体内のウイルス量が少ないため、症状が出てすぐに検査すると偽陰性の恐れがあります。発熱から12時間程度たってから検査するよう勧められています。

       

       ③ 検査結果を写真で残しておく

      スマホなどで検査キットのプレートを撮影し検査結果を写真に残しておくと、医療機関受診の際に話が早いと思います。実際、医療機関で検査結果を見てもらったら、結果の判定が間違っていたなんてこともあるかもしれません。

       

       ④ 自己検査対象は、重症化リスクの低い若者(小学生以下の子どもや高齢者は、かかりつけ医にまず相談)

      同時検査キットによる自己検査は主に、新型コロナの重症化リスクが低い若者らに使ってもらう想定となっています。厚労省は、小学生以下の子どもはかかりつけ医や地域の小児科医にまず相談することを求めています。

      子ども、高齢や基礎疾患などで重症化リスクの高い人は、発症後速やかに発熱外来やかかりつけ医を受診するようお願いいたします。

       

       ⑤ 誤って陰性となるリスクがあることを認識する

       抗原検査は、ウイルス量が少ない場合は感染していても誤って陰性と判定されたり、コロナとインフルエンザで陽性になるタイミングが少し異なるなどの「偽陰性」のリスクがあります。このため検査陰性だった場合でも、100%感染を否定できるものではないと認識する必要があります。

      陰性でも翌日にもう1回検査することで偽陰性のリスクを減らすことができます。また、調子が悪いときは外に出ずに感染を広げないような注意も必要です。

       

      参考文献

      厚生労働省関連HP

      https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00270.html